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バックナンバー 9月19日号  9月12日号  9月5日号  8月29日号

9月19日号

  この秋、もう一度アベノミクスでGO!

記事内容


 9月26日から秋の臨時国会が始まる。最大の焦点は、TPP(環太平洋経済連携協定)承認案・関連法案の審議だ。米国の大統領選後の方針が気になるだけに、日本は早めの成立を図りたいところだ。この他、2016年度第2次補正予算、消費増税延期関連法案と、重要法案が目白押しであり、審議の行方次第では会期延長ということもあり得よう。こうしたなか、毎回後回しになっている「統合型リゾート(IR)推進法案」も気になるところだ。安倍改造内閣は、細田総務会長(IR議連会長)、茂木政調会長(同最高顧問)、山本地方再生担当相(同副会長)、世耕経産相・塩崎厚生相(同メンバー)と、IR推進に前向きな人が多いのが特徴だ。安倍政権では「観光」と「地方創生」が大きな成長戦略のひとつであり、小池百合子新東京都知事もIRに前向きなことから、早晩この話題が浮上してくる可能性があろう。この他、政府は乱立していた経済系の会議をこの秋から集約する。ここでも注目点は、成長戦略の具体策を練る官民会議「未来投資会議」が新たに創設されることだ。ここでは、人工知能(AI)の開発など第4次産業革命の推進に期待したい。「規制改革推進会議」と「国家戦略特区諮問会議」が連携して動き始めるのも注目だ。この秋もう一度、アベノミクスでGO!(?)

  


9月12日号

  日米の9月20・21日は「神話の世界」が頼り?

記事内容


 ここにきての米国の利上げを巡る騒動で、安倍首相のブレーンの1人であるエール大の浜田宏一名誉教授の講演を聞きにいった際(5/11)の発言、「米FRB(連邦準備制度理事会)のイエレン議長は、まるで日本神話に登場する天照大神(アマテラスオオミカミ)のようだ」という言葉を思い出した。つまり、「チラッと外(経済データ)を覗いてはまた(利上げの扉を)閉める」という動作の繰り返しを指してのことだが、極めて言い得て妙であると、今更ながら感心している。一方、安倍首相と親しい伊藤元重東大名誉教授は、黒田日銀総裁のことを「鳴かぬなら、鳴かせてみよう・・・の豊臣秀吉型の人間なので、何かやってくるかもしれない」(8/24)と述べていた。つまり、皆を驚かせてデフレマインドを払拭させようとする、ということらしい。筆者は、黒田日銀総裁が日本神話に出てくる須佐之男命(スサノオノミコト)で、世の中を暗くしているヤマタノオロチ(デフレ)を退治してくれることを夢見ているひとりだ。9月20・21日は、FOMC(連邦公開市場委員会)と日銀金融政策決定会合が同時に開かれる(正確には時差の関係でFOMCが後になる)という、今年最大のビッグイベントを迎える。もはや、この期に及んでの頼りは、エコノミスト、ストラテジストの予想より、二礼ニ拍手一礼しかない(?)ということか。

  


9月5日号

  9月は世界的な「政策対応」のオリンピック月になる?

記事内容


 9月は、世界的な政策対応のイベントが目白押しとなる。まず、9月4・5日には中国の杭州で開かれる「G20首脳会合」が口火を切る。ルー米財務長官は、「G20が金融、財政、構造改革の政策を総動員する意思を示すことが必要だ」と発言(8/19)しており、各国の協調が注目される。そして、9月8日にECB(欧州中央銀行)理事会、15日に英BOE(イングランド銀行)会合がある。BOEの大規模資産購入再開(8/4)を受けた、欧州の追加緩和策が焦点となる。そして最大のヤマ場は、9月20・21日の日銀金融政策決定会合であり、同日の米FOMC(連邦公開市場委員会)となる。日銀は今回「総括的な検証」をするとしており、従来の金融政策の見直し・修正に繋がる内容になるか否か、見方が分かれている。米FOMCについても、「利上げ」に踏み切るのではないかとの見方が一部に出てきた。もしも、日銀が何も新しい政策が打ち出せないと、失望から円高が加速しやすくなる。逆に、新境地の政策(マイナス金利の修正など)が打ち出されると、株高に振れやすくなる。一方、米国が早期利上げに踏み切ると、ここ高値水準に戻してきた新興市場にとっての圧迫要因になる。筆者は21日に誕生日を迎える安倍首相の首に、“希望のメダル”がかかることを秘かに夢見ているのだが・・・

  


8月29日号

  さあ、次は2020年の東京五輪へGo !!

記事内容


 2016年のリオデジャネイロ五輪は、日本のメダル数が金12、銀8、銅21の合計41個と史上最多になった。過去、金メダル数が10個以上、総メダル数が30個以上になったのは、1984年のロサンゼルス五輪が金10、銀8、銅14の計32個、2004年のアテネ五輪が金16、銀9、銅12の計37個なので、今回はそれらを上回る快挙になった。これら3つの大会では共通点が浮かび上がってくる。すなわち、1984年が中曽根内閣、2004年が小泉内閣、2016年が安倍内閣と、いずれも長期政権の途上での五輪参加だったということだ。政治や経済が安定し、次なる向上を目指す時の五輪は、スポーツイベントとしても高い成果が生まれやすいということだろう。ちなみに株式市場でいうと、1984年のケースが3年後の1987年10月の2万6646円(五輪閉幕時から2.57倍)、2004年のケースが3年後の2007年2月の1万8300円(同1.63倍)まで、上昇トレンドがそれぞれ続いた。今回の場合は、2020年に東京が五輪を開催国(56年ぶり)として迎えるという、特別な時期を迎える。前回1964年10月の東京五輪の開催時には、3年前の1961年7月に株価がピークアウトした。しかし今回は当時と異なり、“五輪ブーム”らしきものが起きていない分、株価のアップトレンドは長続きする?

  


チーフグローバルストラテジスト
中井裕幸(なかい ひろゆき)

同志社大学法学部卒。日興證券入社、同投資情報部長を経て東海東京証券入社。2000年東海東京調査センター投資調査部長兼チーフストラテジスト、2003年取締役就任。2009年専務取締役就任、現職。入社以来一貫して調査・情報部門に携わる。日本経済新聞を始めとする各紙、電子メディアにも寄稿多数。
著書は、「サブプライム 逆流する世界マネー」(実業之日本社)