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バックナンバー 1月22日号  1月15日号  1月8日号  12月25日号

1月22日号

  2018年の「新春討論会」を聞いて

記事内容


 大手証券・経済研究所の著名エコノミストとストラテジスト4人による新春討論会(1/15)を聞いてきた。(1)米国経済については、「適温経済が続いている。しかし、年後半のリスクは、米国がドル安カードをきること」(K氏)、「景気拡大は19年3月まで続く。年前半ドル高で年後半ドル安を想定」(S氏)、「景気拡大は19年後半まで続く。リスクはインフレ率の上昇だ」(T氏)。(2)日本経済については、「緩やかな景気拡大が続く。賃上げ3%達成は不可能ではない」(K氏)、「真の夜明け(?)。マインドの雪解けで世界の流れに乗る」(T氏)、「名目GDP600兆円の達成は可能。今年の春闘は期待できる。2%のインフレ目標も18年度後半にタッチする」(S氏)、(3)市場の見通しについては、「年末に日経平均は2万7000円、為替は107円~115円/ドルを想定。日銀が意外に早いタイミングで出口を模索することがリスクだ」(K氏)、「2018年末に同2万7000円、2019年1-3月に2万9000円を想定。為替は夏場に115円、後半110円/ドルか」(S氏)、「2018年の日経平均は2万6000~7000円が視野に入る。為替は110~116円/ドル」(T氏)。最後に、モデレーターのストラテジスト(K氏)も「日経平均は、企業収益の好調を背景に2万5000~6000円は十分可能」。コンセンサスは年前半強気、後半はリスクに注意ということか。

  


1月15日号

  相場サイクルから「2018年」を読む !!

記事内容


 2018年の大発会(1/4)は、前日比741円高(同+3.3%)となり、26年ぶりの高値を更新した。過去10年で大発会に2%高以上した3回の局面は、①2009年(前日比+2.1%)が年間騰落率で+19.0%、②2013年(同+2.8%)が同+56.7%、③2017年(同+2.5%)が同+19.1%と、いずれも高パフォーマンスとなっている。となれば、「1年の計は元旦にあり」、「初めよければ、終わり良し」ということか。ちなみに、資産バブル崩壊の90年の大発会は同▲0.5%で年間騰落率が▲38.7%、リーマンショックの08年は同▲4.0%で同▲42.1%であった。こうしたなか2018年相場を考え直す際に、我が師である浦上邦夫氏の幻の名著「相場サイクルの見分け方」を読み直してみた。すると平成時代の相場が、90年代初頭のバブル崩壊を招いた「逆金融相場」(引き締め)、97年の山一證券破綻から始まった「逆業績相場」(企業収益悪化)、2013年から始まった異次元緩和の「金融相場」(金融緩和)、そして2017年秋から始まったのが「業績相場」(企業業績向上)と、見事に4つのサイクルに色分けできる。2018年は、この「業績相場」が何処まで延長するか、「逆金融相場」がいつ頃から始まるかを見極めるのが大きなポイントになるだろう。足下の諸環境からみて、少なくとも年央にかけては、まだしばらく強気スタンスの持続でよさそうだ。

  


1月8日号

  2018年の「初夢」は、「正夢」になる?

記事内容


 荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」という曲が、再びヒットチャートの上位に入るという、異変が起きているようだ。アップテンポのこの曲が発売されたのは、今から32年前の1985年11月で丁度バブルに向かう時期であったことを思い出す。その曲が今再び受け入れられているということは、何故か当時のように、日本人の社会的風潮(マインド)が前向きに変わったシグナルのようにも感じられる。こうした中、政府・与党は18年度の税制改正大綱(12/14)で「賃上げ」や「設備投資」に前向きな企業の法人税の実質的な負担を25%程度まで引き下げるという方針を打ち出した。更に、IoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)など革新的な技術を取り込む企業には、実質的な税負担を最大20%程度まで下げる方針のようだ。日本企業は、①業績が好調、②設備年齢が高い、③内部留保が406兆円(16年度末 法人企業統計)と巨額、である。このため今回は、税制改革をキッカケとして「設備投資」増額に踏み切る企業が相次ぐだろう。人手不足下の設備投資は、生産性の改善にも繋がる。悲願の「賃上げ」も、今回は経団連が3%引上げを要請しており、2018年の「春闘」は2017年までとは違った風景になるだろう。そんなことを考える2018年の「初夢」は、これが「正夢」になることを期待したいものだ。

  


12月25日号

  2018年の米国経済はバブルの足音が聞こえる?

記事内容


 12月中旬、冬期休暇で米国のNY(ニューヨーク)にいった。訪米は2011年以来6年ぶりだが、その時と比べ様変わりなのに驚いた。当時は、“リーマンショック”(08/9)から3年を経過したものの、“ジャパナイゼーション(日本化)”リスク、ギリシャなど“欧州危機”があり、米国経済がまだ病み上がりの状態にあった。それが、今やマンハッタンの5番街やブロードウェイでは溢れんばかりの人混みで、活気があった。そして、チップが20%(以前は15%)、ペットボトルの水が400円台、タクシーが捕まらずレストランの予約も取れない、といった状態だった。「ウーン。これってバブルとまではいかないが、その足音が聞こえる?」といった感覚を覚えた。もう一つは、タイムズスクエアでパイプ爆弾テロ(12/11)があったことだ。前日、近くの地下鉄に乗ったあとだったこともあり、人ごととは思えないリアルな恐怖を感じたのもそうだ。2018年は、トランプ大統領のエルサレム首都(イスラエル)の発言もあり、中東情勢とテロの発生リスクには、十分注意が必要だということを実感した。最後に、日本人観光客は老人だけで若者の姿をあまり見かけなかったのは残念だった。アジアでは今や中国人や韓国人ばかり、というのは米国以外の欧州などでもそうだ。世界で最も刺激的な街NYは、若い時にこそ訪れたい場所だと今回改めて感じた。

  


中井裕幸(なかい ひろゆき)

同志社大学法学部卒。日興證券入社、同投資情報部長を経て東海東京証券入社。2000年東海東京調査センター投資調査部長兼チーフストラテジスト、2003年取締役就任。2009年専務取締役就任、現職。入社以来一貫して調査・情報部門に携わる。日本経済新聞を始めとする各紙、電子メディアにも寄稿多数。
著書は、「サブプライム 逆流する世界マネー」(実業之日本社)