アナリストのご紹介

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バックナンバー 8月11日号 8月4日号  7月21日号  7月14日号 

8月11日号

  次のテーマは、「ジャパン・テクノ・イノベーション」

記事内容


 今夏以降の日本株のテーマは、①ローカル・アベノミクスと、②ジャパン・テクノ・イノベーションとなろう。①は、「地方創生」として先週(No.65号参照)紹介したので、今回は、②の日本企業の技術革新についてコメントした。日本企業の復活には、やはり日本の得意とする“モノづくり”が原点になろう。そしてそこに、新たな付加価値を創造するイノベーション(技術革新)が加わることが必要となろう。その典型的な例が「ロボット」(No.61号参照)であり、「先進(安全・自動、双方向通信)運転システム搭載車」、いわゆる“クルマのスマホ(IT)化”の分野だろう。「自動車産業は、今100年一度の転換点にある」とは、米GMの幹部の言葉(14年1月の国際家電見本市)が象徴している。米国のIT(情報通信)の巨人でアップルやグーグルが本気で進出し始めていることからも、その潜在的市場の大きさが窺える。同分野は、地図データなどビッグデータを基盤とした双方向通信が可能であり、新たな都市交通ビジネスへと発展する、言うなれば3次元の空間という新しい市場創造の可能性をも秘めているといえる。このため、今後自動車搭載のエレクトロニクス化(現在40%)は、更にアップが予想される。となれば、環境技術で世界に誇る日本の自動車と電機・電子部品メーカーの融合は、日本企業再生の大きな切り札として残されているように思う。

    


8月4日号

  次のテーマは、「ローカル・アベノミクス(地方創生)」

記事内容


 安倍内閣の支持率(7月25~27日・日経)は48%と、政権発足来初の50%割れとなった。安倍政権は、10月26日の福島県知事選挙、11月16日の沖縄県知事選挙、来年春の統一地方選挙を控え、この支持率回復が急務になったといえる。そのテコ入れとしては、①9月上旬の大幅な内閣改造、②同じ時期の北朝鮮拉致被害者の調査報告、③日経平均株価の高値(1万6320円)奪回 ― などが重要な役割を持とう。安倍首相は、願い事が叶うとされるメキシコのテオティワカン遺跡のピラミッドを登った際、「脱デフレと地方再生」を祈願したという。このことからも窺えるように、帰国後の安倍首相は「地方再生」を新たな目玉政策として打ち出してこよう。政府は、省庁を横断的に取りまとめる「まち・ひと・しごと創生本部」(安倍首相がトップ)の準備室を発足(7月25日)させ、9月の内閣改造では地方創生担当相を新設する。まず、8月末の概算要求で地方創生枠 1兆円を計上、10月の臨時国会では地方創生関連法案が提出され、来年1月には「地方創生の長期ビジョンと総合戦略」が発表されるという。関西、沖縄など国家戦略特区でのカジノの具体化(秋の臨時国会で関連法案が成立?)を含め、次のテーマは「ローカル・アベノミクス(地方創生)」で決まりだろう。同テーマの関連としては、地方銀行などローカル銘柄に注目したい。

    


7月21日号

  新たな成長戦略は、「観光立国の実現」!!

記事内容


 6月の新成長戦略のひとつとして、「世界を惹きつける地域資源で稼ぐ地域社会の実現」のなかで、日本の“観光資源を活かす”ことが謳われている。政府は、東京オリンピックが開かれる2020年の訪日外国人数は、現在(2013年に1000万人突破)の倍増の2000万人を目標にしている。そのために国土交通省は、2020年までに成田と羽田での発着枠を、14年度末の75万回から83万回に、そして30年代を目処に最大110万回に増やす案を検討中という。この他、空港を使いやすくするため、羽田と成田を都心で直結する鉄道を新たに整備することも検討されている。さらに、政府は近く観光立国推進会議を開き、「観光立国実現に向けた行動計画」を決めるという。ちなみに、観光の国際競争力ランキング(世界経済フォーラム・2013年版)によると、日本は前年の22位から上がったとはいえ、まだ14位。ということは、その潜在成長力は高いといえる。また我国の観光産業(2012年の旅行消費額)は、22.5兆円(名目GDPの4.7%)と自動車産業の50.2兆円の半分の規模で、この業界が基幹産業として活性化する効果は大きい。旅行収支を増やすことは、国際収支の改善(貿易赤字を補う)にも役立つ。秋の臨時国会では、統合型リゾート施設を推進する「IR推進法案」が審議され、カジノの解禁が現実のものとなる可能性もある。Rediscover(日本再) Japan(発見) !

    


7月14日号

  2014年は「コーポレート・ガバナンス(企業統治)」元年(パートⅡ)

記事内容


 日本企業のコーポレート・ガバナンス(企業統治)が変わってきた象徴として、最近特に目につくのが経営トップの選び方と意識の変化だ。例えば、ベネッセホールディングスは、創業家以外から原田元マクドナルド社長が、会長兼社長に就任(6月21日)した。武田薬品工業も、英製薬大手出身のクリストフ・ウエバー氏を、社長として株主総会で選任(6月27日)した。歴代社長を創業一族で占めてきたサントリーホールディングスは、コンビニ大手ローソンの新浪会長を新社長に迎えると発表(7月1日)した。こうしたニュースは、まさに日本企業が変わりつつある象徴的な出来事といえよう。これら企業に共通しているのは、「世界を目指す」という戦略が最終目標にあるということだ。つまり、これからの日本企業の経営トップはグローバルな経験を活かし、バイタリティをもって事業を推進する人が求められているということだろう。これまでも、ソフトバンクの孫社長、日本電産の永守社長など、強いリーダーシップの下で大胆な経営を実践している会社は、業績が伸びかつ株価も上昇している。日本企業のトップの意識が変わり、“守りから攻めの経営”に転換すれば、会社と株価が大きく変わるキッカケとなろう。こうした日本企業のガバナンス(企業統治)の強化は、今や内外の投資家にとって、2014年後半の最大のポジティブ材料となったといえよう。

    


    
チーフグローバルストラテジスト
中井裕幸(なかいひろゆき)

同志社大学法学部卒。日興證券入社、同投資情報部長を経て東海東京証券入社。2000年東海東京調査センター[出向]投資調査部長兼チーフストラテジスト、2003年取締役就任。2009年専務取締役就任、現職。入社以来一貫して調査・情報部門に携わる。日経CNBCに出演。日本経済新聞を始めとする各紙、電子メディアにも寄稿多数。
著書は、「サブプライム 逆流する世界マネー」(実業之日本社)