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バックナンバー 1月12日号  1月5日号  12月22日号  12月8日号

1月12日号

  「来るべき日本ブームに備えよ!!」 ~始まる「企業価値向上評価相場」

記事内容


 “Prepare for the coming Japanese boom”(来るべき日本ブームに備えよ)。これは、昨年末(12/14)の英FT(フィナンシャル・タイムズ)で紹介された、ピーター・タスカ氏の記事のタイトルだ。そこでは、①外国人訪日客の急増に伴うインバウンド(外からの内需)効果、②企業の潤沢な内部留保(フリー・キャッシュ・フロー)と今後数年にわたる資本投資ブーム、及び交易条件の改善効果、そして、③株式と不動産の上昇に伴う国と企業のバランスシートの改善効果 ― 等が指摘されていた。同氏は、かつて1992年の「日本の時代は終わったか」という本で、資産デフレの時代を予見したことで有名。その氏が日本のデフレが終焉し、日本企業の変化に注目しているということで、本コーナーでも紹介してみた。我々も「Japan Inc(日本株式会社)の復活」を掲げ、これがアベノミクス第Ⅱ章のメインテーマになると考えている。特に2015年前半は、企業収益の上方修正だけでなく、自社株買いや増配等、コーポレート・ガバナンス(企業統治)に対する経営者の意識の変化が、「企業価値向上評価相場」押し上げの原動力になるとみている。これが、日経平均2万円台回復の王道だ。このため1月初旬の調整は、またとない「押し目買い」局面となろう。まさに、タスカ氏の言う「来るべき日本ブームに備えよ !!」 だ。

   


1月5日号

  2015年の干支、「未(ひつじ)」にまつわる話あれこれ

記事内容


 2015年の干支(えと)「未(ひつじ)」。そこで、今回は「未(ひつじ)」にまつわる話題でまとめてみた。2015年は、新たに組閣した第3次安倍内閣が、今後「羊頭狗肉」(看板には良い商品を出し、悪い品を売ること)的な政策倒れになってしまったら、日本経済と株式市場は、「迷える子羊」になり、「羊の歩み」(食肉処理場に連れて行かれる羊のような力のない歩み)になってしまう。ここは、政府、日銀、企業(個人)が一体となって、映画「羊たちの沈黙」のように過去のトラウマ(20年に及ぶデフレ時代)に囚われることなく、新たなチャレンジを続けることが大事だろう。「未の時に晴るる雨には蓑笠を脱ぐ」と言う諺は、午後2時頃に降り止んだ雨は、再び降る恐れがないことをいう。また株式市場には、「羊の食い破り」という格言がある。これは、相場の大変動を意味することわざだが、「波乱はチャンス」との認識を忘れてはなるまい。欧州では、古くから「羊(ひつじ)は、財産・ストックのシンボル」ともいわれており、資産形成にとって悪くないイメージもある。「未来」は「未(いま)だ来ず」ではなく、「未(ひつじ)が来る」としたい。最後に、2015年は「羊のようにヌクヌクした年」になることを期待して、合掌。2014年の年末は、希望に満ちた明るい年を夢見ながら「羊が1匹、羊が2匹・・・」「株を枕に越年」といこう。

   


12月22日号

  2015年の「有望銘柄」を探る ~低ROEのグローバル企業に注目~

記事内容


 2014年の日経平均は、高値1万8030円(12/8)まで上昇し、リーマンショック前の高値1万8300円(07/2/26)に迫る戻しを演じてきた。こうした中、日本を代表する日立(6501)の戻り率(ボトムから14年高値までの戻り幅/06~07年高値からボトムまでの値下がり幅)が99.0%、トヨタ(7203)が同92.1%と、ほぼ同程度の水準まで回復した。しかし、同じグローバル企業の中でも、富士フイルム(4901)が同64.0%、パナソニック(6752)が同49.4%、キヤノン(7751)が同35.5%、リコー(7752)が同33.8%、三菱UFJ(8306)が同23.4%、野村HD(8604)が同20.2%の水準にあり、市場平均(97.6%)に比べ大きく出遅れている。これらの企業の株価の戻り率の違いは、ROEが日立とトヨタの11.2%、13.7%に対し、富士フイルムが4.2%、パナソニックが8.6%、キヤノンが8.4%、リコーが7.6%、三菱UFJが8.1%、野村HDが8.9%と、いずれも10%未満の企業であるということ。配当利回りが高く、PERやPBRが低くても買われなかった背景のひとつがここにあったと言える。2015年はこれらグローバル企業にとって、オリンピックに出場する国際基準とも言うべき、ROEの向上が大きな経営目標となろう。逆に言うと、これらの企業は2015年の株主価値向上期待銘柄の有力候補となろう。12月は、「押し目買い」のチャンス。

   


12月8日号

  2015年は、「L(ローカル)」の時代の幕開けに!

記事内容


 石破地方創生担当相の話を聞いてきた(11/26)。その発言の主なポイントは以下の通り。「日本全体の経済からみれば、グローバル(Gの)経済は全体の2割、それ以外の約8割はローカル(Lの)経済だ。だから、ローカル・アベノミクスが必要なのだ。これまで、本気でローカル経済について考えてこなかった。団塊の世代がいなくなると、日本の地方はガタンと人口が減り、消滅してしまうのではないか。だから、若者を呼び込みかつ地方にとどめ、女性が子供を産んでくれるためには、安定した収入が得られる地方経済にしなくてはいけない。地方創生には、地方への移住者を受け入れる側にとっても〝よそ者、若者、ばか(独自の発想をもつ)者〟をいかに取り込めるかの体制も大事だ。すなわち、日本創生とは、日本の仕組みそのものを創り替え、この国のかたちを変えることだ。そして、これまでのような維持や分配の発想をやめることだ。国は、規制を緩和して農業、林業、漁業、観光の潜在力を最大限に発揮できるよう手助け(データや人材を提供)し、自立できるようにする、これが地方創生の本質の部分だ。」自民党の衆院選挙の公約には、「地方創生特区の創設」が盛り込まれた。2015年は、ローカル・アベノミクス元年として、新たなスタートラインに立つことに期待したい。

   


    
チーフグローバルストラテジスト
中井裕幸(なかいひろゆき)

同志社大学法学部卒。日興證券入社、同投資情報部長を経て東海東京証券入社。2000年東海東京調査センター[出向]投資調査部長兼チーフストラテジスト、2003年取締役就任。2009年専務取締役就任、現職。入社以来一貫して調査・情報部門に携わる。日経CNBCに出演。日本経済新聞を始めとする各紙、電子メディアにも寄稿多数。
著書は、「サブプライム 逆流する世界マネー」(実業之日本社)