アナリストのご紹介

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バックナンバー 11月20日号  11月13日号  11月6日号  10月30日号

11月20日号

  株価2万3000円台回復の意味するものは?

記事内容


 日経平均株価は、バブル崩壊後の高値2万2750円(96/6)を抜け、11月9日には2万3382円と25年10ヵ月ぶり(92/1以来)の高値を更新した。この水準は、史上最高値3万8957円(89/12)から、2009年の最安値6994円(08/10)までの下げ幅の半値戻し(2万2976円)を達成したことになる。「半値戻しは全値戻し」の相場格言があるが、今回はむしろ日本株の“デフレ脱却宣言”であり、“20年以上に渡る重石が取れた”サインとして、受け止めたい。ここ1ヵ月で日経平均の予想1株当たり利益(EPS)が、1400円から1510円台に上昇したのはサプライズであった。これで、来期の業績が+5%増益とするとEPSは1589円となる。となれば、2018年の株価試算としては、現在のPER15倍で2万3830円、過去の上限レンジ16倍だと2万5424円となる。これはゆき過ぎた水準というよりも、むしろファンダメンタルズに沿った株価水準の範囲となる。今のところ日本株の買いの主体は外国人のみであり、全ての投資家が参加したものではない。となれば、過熱感なき「ゴルディロックス(適温)バブル」は来年半ばあたりまで、まだ続くかもしれない。当面は、急ピッチな戻りに対する達成感と戻り売りから、当然下押し局面があってもおかしくない。しかし、大きなトレンドの変化をみることが今は大事なように思う。

  


11月13日号

  ついに、我が家にもAI(人工知能)がやってきた !!

記事内容


 先週は、本稿で弊社が「AI(人工知能)」を導入したことについて述べた。今週はその続編として、我が家でも米グーグルのAIスピーカー(会話型人工知能)「グーグルホーム」を買ったという話し。AIスピーカーは、玄関や居間に置き、人が話しかけて知りたい情報を検索したり、欲しいものを買ったり、家の中のテレビやエアコン等を操作することを可能にする機器のこと。「OK、グーグル」の後、「ビートルズの曲かけて」、「明日の東京の天気は?」、「成田までの行き方は?」、「昨日の日経平均は?」、「テレビを付けて」 ― など、様々な要求に答えてくれる。まだ答えられないものも多いが、これで1万5120円は安いかもしれない。一方、米アマゾンのAIスピーカー「エコー」は、ネット通販まで出来るという。AIスピーカーは、言語AI(人工知能)や音声合成技術等を駆使し、スマホなどと連動するIoT(あらゆるモノがインターネットにつながる)の家庭内ハブとして、世界的な市場拡大が期待されている。囲碁の対戦やビジネスの分野で話題を集めてきたAIが、今やより身近な生活に入り込んでくる時代になってきたということだろう。我が家の孫達にも大人気なのをみると、「気がつけば家の中はAIだらけ、そんな未来は遠くないのかもしれない」としみじみ思うこの頃だ。米企業のアマゾン、グーグル、アップル、恐るべし。頑張れ、日本企業 !!

  


11月6日号

  ついに、AI(人工知能)がやってきた !!

記事内容


 弊社もついに「AI(人工知能)」を導入した。まずは、デイリー投資情報「モーニングニュース」で決算発表のフラッシュ(速報)版として、10月27日からスタートした。未公表の取材が出来ない“フェア・ディスクロージャー(公平な情報開示)”時代のアナリストにとって、AIは強力なライバル登場ということになる。まだまだ、本格的(投資判断が可能)なAIという訳ではないが、事実情報を迅速にかつ効率的に伝えるのには十分で、我々も有力なアシスタント(不平を言わない?)が1人入社したという感覚だ。近い将来、決算発表を分析して「AIが予測する1ヵ月後に上昇が見込めるセクターと有望銘柄」、「AIが予測する来年の株価と為替の見通し」といった情報が提供できるようになるだろう。AIのセミナーで講師がよく言うこと、それは「人工知能を導入しても余り役に立たないという企業や部署の声が多い。しかし、AIはそもそも現場で育てて(カスタマイズ化)成長させるものだ」との言葉の意味は大きく、肝に銘じておきたい。弊社にとっても、「(AI導入の)初めは小さな一歩だが、歴史的な一歩の始まり」になるのかもしれない、と密かに今後の活躍に期待している。昨今の日経平均は、史上初の16連騰を達成し、2万2000円台を回復した。AI時代の到来を告げる「新たな扉が開いた」と実感するこの頃だ。

  


10月30日号

  戦後初の日経平均16連騰の意味するものは?

記事内容


 人種差別が残る時代にNASA(米航空宇宙局)で活躍する女性達を描いた映画、「ドリーム」を観た。当時(1960年前後)の米国は、ソ連が人工衛星(スプートニク)の打上げに成功したことで、宇宙開発競争にしのぎを削っていた。当初は、天才的な数学の才能を持つ主人公が活躍した。しかし、人間の計算能力を遥かに凌ぐIBMの大型電算機が導入され、状況は一変する。黒人というだけで理不尽な扱いを受けるがひたすら夢に向かって進む主人公、国を挙げて人類初の月面着陸という夢を追う米国、1950~60年代はまさに「夢」多き時代だったことが窺えた。さて、足下の日本の株式市場では、この時代以来という驚愕の出来事が起こった。それは、日経平均が当時の14連騰(1960年12/21~1961年1/11)を抜き、戦後初の16連騰(2017年10/2~24)になったからだ。当時の日本は岩戸景気と呼ばれ、“3種の神器(白黒TV、洗濯機、冷蔵庫)”がもてはやされた時代だった。今のアベノミクス景気(12年12月~17年10月で4年11ヵ月)は、戦後2番目の長さになったが、過去の局面に比べ過熱感が全くないのが特徴だ。世界的にも長期停滞から脱した「長期安定(グレート・モデレーション)」をIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)など、イノベーション技術の夢が育む構図となっている。これぞ「ゴルディロックス(適温)延長相場」の特徴か。

  


中井裕幸(なかい ひろゆき)

同志社大学法学部卒。日興證券入社、同投資情報部長を経て東海東京証券入社。2000年東海東京調査センター投資調査部長兼チーフストラテジスト、2003年取締役就任。2009年専務取締役就任、現職。入社以来一貫して調査・情報部門に携わる。日本経済新聞を始めとする各紙、電子メディアにも寄稿多数。
著書は、「サブプライム 逆流する世界マネー」(実業之日本社)