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バックナンバー 7月14日号 7月7日号  6月23日号  6月16日号 

7月14日号

  2014年は「コーポレート・ガバナンス(企業統治)」元年(パートⅡ)

記事内容


 日本企業のコーポレート・ガバナンス(企業統治)が変わってきた象徴として、最近特に目につくのが経営トップの選び方と意識の変化だ。例えば、ベネッセホールディングスは、創業家以外から原田元マクドナルド社長が、会長兼社長に就任(6月21日)した。武田薬品工業も、英製薬大手出身のクリストフ・ウエバー氏を、社長として株主総会で選任(6月27日)した。歴代社長を創業一族で占めてきたサントリーホールディングスは、コンビニ大手ローソンの新浪会長を新社長に迎えると発表(7月1日)した。こうしたニュースは、まさに日本企業が変わりつつある象徴的な出来事といえよう。これら企業に共通しているのは、「世界を目指す」という戦略が最終目標にあるということだ。つまり、これからの日本企業の経営トップはグローバルな経験を活かし、バイタリティをもって事業を推進する人が求められているということだろう。これまでも、ソフトバンクの孫社長、日本電産の永守社長など、強いリーダーシップの下で大胆な経営を実践している会社は、業績が伸びかつ株価も上昇している。日本企業のトップの意識が変わり、“守りから攻めの経営”に転換すれば、会社と株価が大きく変わるキッカケとなろう。こうした日本企業のガバナンス(企業統治)の強化は、今や内外の投資家にとって、2014年後半の最大のポジティブ材料となったといえよう。

    


7月7日号

  2014年は「コーポレート・ガバナンス(企業統治)」元年!!

記事内容


 6月24日に発表された新成長戦略で注目されるものは、企業の収益性を高める策、いわゆる「コーポレート・ガバナンス(企業統治)」の強化が挙げられる。その代表的なものは、①「社外取締役」の導入、②「コーポレート・ガバナンス・コード(原則)」の策定、③金融機関による「経営支援機能」の強化―- など3大統治改革がそうだ。なかで、①は、会社法改正に伴い「社外取締役」導入を実質義務化するもの。当初は法令順守の監視が目的だったが、最近は経営への意見が求められるようになった。②は、上場企業がこのコードに従うか、従わない場合はその理由を説明しなければならない、というもの。その具体的な内容は、2015年半ばまでに策定の見込みだ。③は、持合株式の保有目的の合理性を説明する義務を課すというもの。この他、「日本版スチュワードシップ・コード」の普及。これは、機関投資家(モノ言う投資家)の行動規範といえるもの。これらは、企業内部での統治や社外取締役による外部の経営監視機能の強化、そして市場(機関投資家)からの評価により、企業の収益性の引上げを狙っている。こうした新たな枠組みが機能すれば、企業価値の向上を促し、長期マネーの更なる呼び水になろう。2014年後半のマーケットは、“コーポレート・ガバナンスの強化”で変わる、経営者の意識改革と企業の再評価が大きなテーマになろう。

  


6月23日号

  鉄腕アトムの国、日本の新成長戦略のひとつは「ロボット」!!

記事内容


 6月27日に、政府の新成長戦略が閣議決定される。なかで、法人実効税率の引き下げ、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用見直しなど、一定の評価ができるものが盛り込まれるようだ。しかし、「アベノミクス」の成長戦略を推進していく上で、今後中長期的に取り組むべき課題もわかってきた。その代表的なものは、少子・高齢化に伴う労働人口の減少だ。そこで、今回の「骨太の方針」では、50年後も1億人の人口を維持するという目標を定める。その対策として、少子高齢化対策(第3子以降の予算配分)、女性や高齢者が働ける環境整備、外国人(技能実習制度の見直し)の活用―- などが検討されている。そして、それを補う新しい政策では、人手不足や高齢化の問題を解決する切り札として、日本の得意な技術であるロボットを活用しようという、動きがある。政府の戦略としては、①介護、②農業、③インフラ点検・災害、④工場―- など4つの分野のロボットを集中的に、補助金等で支援するという。つれて国内のロボットの市場規模は、2012年の約7000億円から2020年には3倍超の約2.4兆円への拡大が目標となる。関連企業は、ファナック(6954)、安川電(6506)、オムロン(6645)、不二越(6474)、ソフトバンク(9984)、サイバダイン(7779東マ)―- など。

    


6月16日号

  「日本株上昇の第2幕」が始まった !!

記事内容


 米経済専門誌「バロンズ」(6/9付け)に、“New Life for Japan’s Rally (日本株上昇の第2幕)”という、記事が紹介されていた。そこでは、①当初懸念されたほど増税が日本経済の阻害要因にならなかった、②GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、株式などの運用比率を20%に引上げる見込み、③予想株価収益率(PER)が13倍の日本株式は割安、④企業が留保していたキャッシュを株主還元している ―― 等が、株価上昇の原動力だと指摘していた。もっとも、①~③は、成長戦略での法人税率引き下げ明記などを含め、これまで政府サイドで指摘されていた項目でもある。ここにきての好材料といえば、やはり④の民間企業の動きだろう。それは、「増配」の動きであり、「自社株買い」の発表などがそうだ。ちなみに、前述のバロンズでは、アマダ(6113)の増配と自社株買いの具体例を紹介していた。この他、三井不(8801)が32年ぶりの公募増資を発表(5/28)、第一生命(8750)が米生保買収に伴う初の新株式発行登録を決議(6/4) ―― 等のニュースも、前向きに評価され始めた。保有する資産、外部からの資本調達など、企業自身が成長投資のために行う戦略を評価する動きは、上昇第2幕の特徴だろう。となれば、次は、「設備投資関連」に注目か。

    


    
チーフグローバルストラテジスト
中井裕幸(なかいひろゆき)

同志社大学法学部卒。日興證券入社、同投資情報部長を経て東海東京証券入社。2000年東海東京調査センター[出向]投資調査部長兼チーフストラテジスト、2003年取締役就任。2009年専務取締役就任、現職。入社以来一貫して調査・情報部門に携わる。日経CNBCに出演。日本経済新聞を始めとする各紙、電子メディアにも寄稿多数。
著書は、「サブプライム 逆流する世界マネー」(実業之日本社)