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バックナンバー 8月24日号  8月10日号  8月3日号  7月27日号

8月24日号

  今秋から、世界景気回復大作戦が始まる!(?)

記事内容


 中国人民銀行による、突然の人民元の事実上(基準値)の切り下げ(8/11~13)は、世界に動揺をもたらした。しかし3日連続の切り下げのあと、中国人民銀行首脳が「かい離の是正は終えた(=更なる元安誘導を否定)」との緊急記者会見の発言で、市場は落ち着きを取り戻した。これで、6月下旬から始まった中国株式の急落に伴う余波(影響)のドミノ倒しは、取敢えず一巡することになった。今後中国当局は、9月下旬の習近平国家主席の訪米や、10月の5中全会(中国共産党第18期中央委員会第5回全体会議)に向けて、追加金融緩和や景気刺激策を検討してこよう。一方米国のFRB(連邦準備制度理事会)は、世界景気減速リスクに配慮して、9月の利上げを先送りするか、実施しても利上げペースを緩やかなものにするとのメッセージを出すだろう。日本においても、4-6月期の実質GDPが前期比年率▲1.6%に落ち込んだこともあり、今後は補正予算(3兆円規模?)や日銀の追加緩和(10月?)の議論が活発化してこよう。補正予算の中身は、地方創生と消費喚起に繋がる「プレミアム付き商品券」の規模拡大が話題になろう。こうした日米中の景気に配慮した政策は、世界景気の減速リスクを後退させ、今秋以降の回復期待へと投資家のマインドを変えてゆくだろう。

   


8月10日号

  今秋から、アベノミクス相場・第Ⅲ章が始まる!(?)

記事内容


 何かと物議をかもした「2020年東京五輪の新国立競技場の建設」は、結局9月頃に整備計画がまとまり、再スタートを切ることになる。ここ支持率が急低下した安倍内閣だが、自民党の総裁任期が9月25日にくることから、安倍首相は再選(予定)後に「内閣改造」へ踏み切るかもしれない。そして、懸案の日中韓の首脳会談もこの秋に行われる可能性も出てきた。さらに10月は、①国民に番号が割り振られる「マイナンバー」の配布(10月5日から)、②日銀の追加緩和期待(10月末?)、③7-9月期企業決算発表時の上方修正期待(10月下旬から)、④GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)と国家公務員共済など3共済の運用方針が一元化(10月1日から)、⑤日本郵政、かんぽ生命、ゆうちょ銀行の同時上場(10月頃)-と、経済・証券市場でのビッグイベントが目白押しとなる。こうしたなか、6月の日本再興戦略で示された「改革2020プロジェクト」は、次世代都市交通システム・自動運転、燃料電池車など水素エネルギー、先端ロボットなどで、東京五輪を世界に誇る日本の技術の見本市にしようというもので、今後技術開発の加速が期待されよう。“雨降って地固まる”ではないが、安全保障関連法案成立(9月上旬?)後は、「アベノミクス相場・第Ⅲ章」が始まるように思う。

   


8月3日号

  秋から来年にかけて予想される、内閣支持率アップ大作戦 !(?)

記事内容


 各メディアによる世論調査は、安倍内閣の支持率が安全保障関連法案の衆院可決(7/16)を機に、いずれも急低下した。なかでも、安倍政権に好意的であった日経新聞、読売新聞のいずれもが、支持率(安倍内閣初の40%割れ)と不支持率が逆転したことは、衝撃であった。これまで日本株上昇の牽引役であったアベノミクスは、高い支持率が求心力を維持し、政策遂行能力を高めてきた。このため、今後9月の同法案成立に向けた国会論戦で、支持率がさらに低下するようだと日本株の当面の上値圧迫要因になるかもしれない。しかし、9月末には自民党総裁選挙、来年7月は参院選挙といった、ビッグイベントを控えている。このため、安倍政権は9月上旬の日中首脳会談、下旬の日韓首脳会談、年内の日露首脳会談など、平和外交を計画している。さらに、今秋から来年にかけては、政治から経済優先モードへの切り換えなど、様々な支持率アップ大作戦が予想される。例えば、地方版成長戦略(地方創生特区など)、東京五輪に向けた新スタジアム建設、水素タウン構想や国際金融センター構想(東京都)の具体化などがそうだ。このため、6月の日本再興戦略(改訂版)で提示された「改革2020プロジェクト」(前ページ参照)は、年後半以降の大きなテーマになろう。

   


7月27日号

  個人投資家の「新起動」 ~年後半のニューヒーロー誕生 ! (?)

記事内容


 ギリシャ危機と中国株の急落を乗り越えて、日経平均は再び2万円台を回復した。そこで次のステージに向かうに際し、7-9月のマーケットの投資環境をもう一度好悪材料で分けてみた。まずポジティブな要因は、外部要因で①米利上げの先送り観測(12月か来年?)、②中国株式の急落の一段落、③ギリシャのユーロ離脱リスクの回避。国内要因で①TPP(環太平洋経済連携協定)の大筋合意、②日銀の追加緩和期待、③秋以降の企業収益の上方修正期待。株式需給面で①個人投資家の出動、②日銀のETF(上場投信)買い、③公的年金の買い― など。一方ネガティブな要因は、外部要因で①米利上げの前倒し懸念(9月?)、②中国株式急落による逆資産効果、③原油価格再下落による資源関連企業への影響。国内要因で、①安保法制による安倍政権の支持率の低下、②日銀の追加緩和先送り懸念、③足元の景気・企業収益の足踏み。株式需給面で①外国人投資家の売り越し、②日本郵政3社のの同時上場(10月?)を前にした資金吸収 ― など。なかで、最も注目されるのは、7月の株価急落場面で救世主となった個人投資家の本格参戦(7月は10日までで、5827億円の買い越し)だ。個人の金融資産流動化のマグマは、静かだが着実に動き始めているようだ。

   


    
チーフグローバルストラテジスト
中井裕幸(なかいひろゆき)

同志社大学法学部卒。日興證券入社、同投資情報部長を経て東海東京証券入社。2000年東海東京調査センター[出向]投資調査部長兼チーフストラテジスト、2003年取締役就任。2009年専務取締役就任、現職。入社以来一貫して調査・情報部門に携わる。日経CNBCに出演。日本経済新聞を始めとする各紙、電子メディアにも寄稿多数。
著書は、「サブプライム 逆流する世界マネー」(実業之日本社)